義務教育学校は、小学校課程から中学校課程までの義務教育を一貫して行う学校です。

平成28年4月に、学校教育法の一部が改正・施行され、これまでの小学校、中学校などに加え、「義務教育学校」が新たな校種として位置付けられました。

1 目的  

 小学校から中学校までの義務教育を一貫して行うことにより、学校教育制度の多様化や弾力化を推進することを目的とします。具体的には、学年区分の変更や指導内容の入れ替え・移行、独自教科の設定など、柔軟な学校運営ができるようになります。

2 修業年限

 6年間の前期課程と3年間の後期課程に区分され、修業年限は9年間となります。

 学年の呼び方は、1年生から9年生となります。(これまでの中学1年生は7年生、中学2年生は8年生、中学3年生は9年生)

 ※前期課程修了後に、県立の中高一貫校や私立の中学校・中等教育学校に進学することもできます。

3 教育内容

 前期課程(1~6年生)・・・・・・小学校学習指導要領に沿った教育

 後期課程(7~9年生)・・・・・・中学校学習指導要領に沿った教育

 

《義務教育学校のメリットは?》

1 児童生徒の異学年交流

 1年生から9年生が同じ学校で学ぶことにより、「上級生の責任感や他の役に立っているという意識が高まる」「上級生の下級生に対する思いやりの心が醸成される」「下級生の上級生に対する憧れの気持ちが醸成される」などの効果が生まれます。

2 前期課程、後期課程の乗り入れ授業

 乗り入れ授業とは、前期課程の教員が後期課程の授業を行ったり、後期課程の教員が前期課程の授業を行ったりすることです。乗り入れ授業を行うことにより、例えば5・6年生の英語の授業で、後期課程の専門の教員の授業が受けられます。また、前期課程と後期課程の教員が交流することにより、それぞれの良さを取り入れる意識が向上します。

3 「中1ギャップ」の解消

 「中1ギャップ」とは、中学校進学後、新しい環境での学習や生活に不適応を起こすことをいいます。9年間を一貫した教育を行う義務教育学校では、中学校への進学に不安を感じる児童が減少されます。