11日(火)、栃木県立高等学校の全日制課程の合格者の発表がありました。

 新聞によると今年度の県立の最終倍率は、1.15倍でした。1.0倍を超しているので、不合格者が出るのは致し方ありません。ひらたく言えば、100人受験したときには、約87人合格、約13人不合格という厳しい世界です。

 県立高校の定員については、少子化の影響や、近隣の私立高校とのバランスも大切にしなければならないので、簡単に増やすことはできません。そして、県内の県立高校再編についても、長い年月を費やし、何度も議論を重ねて今日を迎えています。

 さて、多くの卒業生にとって高校受験の体験は、はじめての生徒が多いと思います。最近では、県立附属中学校や私立中学校、そして中等教育学校などを目指すため、小学校6年生のときに試練を迎える子どもが出てきました。

 私の高校受験の合格者の発表は、早朝の午前6時でした。 なぜ、午前6時の発表なのかよく分かりませんでしたが、日の出時刻もこの時期は、午前6時頃で一致しています。卒業式翌日にもかかわらず、中学校の先生方も手分けし、早朝から合否の確認に来ていたようです。

 発表当日、私は薄暗い中、一人で電車に乗り、高校まで発表を見に行きました。幸いにも合格できたのですが、一緒に受験した友人が不合格の報にひっそりと肩を落としているのを目の当たりにして、15歳にして選別されることの厳しさを感じました。

 生徒が今日まで挑んできた高校受験というのは、そうした厳しい一面があるのです。

 今回の発表が厳しい結果となり、今まで経験したことがない辛い経験になった卒業生がいるかもしれません。しかし、5年後、10年後に、「あの経験があったからこそ、さらに人間として成長できた。」と振り返れる大人になってほしいです。

 例えば、

 あの苦労があったからこそ、人間の心の奥深い世界を学ぶことができた。

 あの失敗があったからこそ、他人への優しさを身につけることができた。

 あの挫折があったからこそ、感謝の心の大切さを学ぶことができた。

 もし、人生で与えられる苦労や困難、失敗や挫折などを、自分の成長の糧とする覚悟があるならば、人生において必ず成長することができるのです。

 がんばれ卒業生!