本日、第4回あそ野学園義務教育学校の卒業式を佐野市長金子裕様をはじめ多くの来賓のご参列を得て無事終了することができました。整然とした雰囲気の中、69名全員が参加し、すばらしい態度で歌声を響かせました。参列者からは卒業生に対して、たくさんのお褒めの言葉をいただくことができました。本日の卒業生の門出に際し、述べた校長式辞を以下掲載いたします。69名の卒業生の限りない前途を祝福して・・・。

式辞

 色づき始めたソメイヨシノのつぼみから、春の訪れを感じるこの良き日に、佐野市長 金子 裕 様をはじめ多数の来賓の方々のご臨席を賜り、また、保護者の皆様のご出席をいただきまして、ここに第四回、あそ野学園義務教育学校卒業式を挙行できますことは、卒業生はもとより本校教職員にとりましても大きな喜びであり、厚く御礼申し上げます。
 六十九名の卒業生の皆さん、卒業おめでとうございます。皆さん一人一人に、そして全員に、卒業証書を手渡せたこと、何よりうれしく思います。手渡した後の「ありがとうございました」の声、感動しました。
 さて、皆さんは、四年前、本校の開校時に六年生として本校での生活をスタートさせました。開校という記念すべきスタートではありましたが、コロナ禍により、学校生活がままならなかった時期でもありました。そんな中でも皆さんは、自分を見失わず、学習や学校行事、そして部活動に元気いっぱいの学校生活を送ることができました。特に、今年度においては、あそ野学園のリーダーとして、学校行事をはじめとする様々な活動において、常に先頭に立ち、心をひとつにして頑張ってくれました。皆さんの頑張りは本校の歴史、そして後輩たちに、しっかり受け継がれるものと確信しています。
 卒業にあたり、私から、皆さんに伝えたいことを一つ、お話しします。
 それは、「臆することなく、たくさんの出会いを楽しめ」ということです。皆さんとは、本校で二年間、共に過ごしてきました。赴任して間もない頃、音楽室で行われていた学年集会で、皆さんを前にお話したことがあります。覚えていますか。学校DXについてのお話をしました。DXという言葉について「知っています。マツコ・デラックスですね。」と答えてくれたことを覚えています。
 今、国を挙げて、DXすなわちデジタルトランスフォーメーションが進められています。DXの推進により、今ある仕事の約四割が新たな仕事に置き換わると言われています。Aiと同居し、新たな仕事を生み出す時代、そして変化が求められる時代がすぐそこまで来ています。四年前、皆さんはあそ野学園開校という大きな変化を経験し、多くの仲間に出会いました。今後、皆さんは、これまでと比べようもない、様々な変化を経験し、多くの人々に出会います。人は、それを縁と呼びます。
オーストリアの社会学者でマルティン・ブーバーという人がいます。彼の言葉に「人生は出会いで決まる。" どんな小さな縁も大切に丁寧に過ごしましょう。」というものがあります。
 縁を大切に丁寧に過ごす方法を皆さんは、このあそ野学園ですでに学んできました。何かわかりますか。答えは、今、皆さんが体現しています。それは、相手を敬い、話を聴くことです。英語でいうListen、聴覚検査の「聴」という漢字が、頭の中に浮かびますか。うなずいて、目を見て、Last(最後)まで、一生けん命、Smileで 本校の前期の学びの合言葉「うめラいス」です。「話は耳と目と心で聴く」ことをこれからも大切にし、磨きをかけ、これからの人生をたくましく生きてください。
 結びに、保護者の皆様、本日は、本当におめでとうございます。これまで、さぞかしご苦労もあったことと思いますが、四年間のあそ野学園での生活を通して皆様のお子様はたくましく、そして立派に成長しました。心からお慶び申し上げます。この後の式中の態度と歌声でその成長を確認していただければと思っています。これからも温かく、そして時には厳しく、子どもたちの成長を見守っていただきますよう、お願い申し上げます。
 卒業生六十九人の限りない前途と一層の成長を祈念いたしまして、式辞といたします。

令和六年三月十一日 佐野市立あそ野学園義務教育学校長 谷 直人